コロナの影響により、更に盛り上がりを見せるライブ配信市場と動向を調査!人気上昇中『投げ銭』システムについても調べてみた。

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ステイホームが一般化した現代社会において、様々なライフスタイルが展開されている中、大きな盛り上がりを見せる「ライブ配信」。人と人とが集まって密になってパーティーをすることが困難でも、リスナー(視聴者)とライバー(配信者)の距離は更に密になってきています。
そんな中、ライバーを支持する手段として、今もっともメジャーな機能として挙げられるのが『投げ銭』システム。ライバーが喜ぶ『投げ銭』システムはどのような動向を見せているのでしょうか。世の中の実態と共に調査しました。                                                                                           

目次

1.  三菱UFJリサーチコンサルティングによる『ライブ配信』調査について調べてみた
2. YouTube市場を追い越す見込みの『ライブ配信』
3. コロナの影響により、大きく拡大したオンライン市場
4. デジタルプラットフォームサービスの成長と動向
5. 『ライブ配信』ユーザーたちによる、使い方の割合(投げ銭の割合も含む)
6. 増加する『巣ごもり消費』(投げ銭をするユーザーたち)
7. 5Gで更に加速する、『ライブ配信市場』
8. 『まとめ』


                                                                              

三菱UFJリサーチコンサルティングによる『ライブ配信』調査について調べてみた                                 

三菱UFJリサーチ&コンサルティング・総務省情報通信政策研究所「平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、10代、20代の1/4がライブ配信型の動画共有サービスを利用。

インターネット利用者におけるライブ配信の視聴経験は若年層ほど高くなっている。15 -19歳の65.6%がこの1年間に視聴している。過去の視聴経験者を加えると69.4%が視聴経験を有する。

ここからのアンケート結果は全て過去1年間にライブ動画配信を利用したことがあると回答した520人の回答を基に作成している。利用者の内、57.3%が視聴のみ、10.0%が配信のみ、32.7%が視聴・配信ともにしている。40代では半数が配信をしている。

中国では、ライブ配信サービス(网络直播)の普及が進展。2018年6月の利用者は4億2503万人。インターネット利用者 の53.0%が利用。「投げ銭」(打赏)の仕組みを取り入れたことにより、2017年のライブ配信サービスの市場規模は400億元に拡大。

当社にて、15歳以上40代までの男女に対してアンケートを実施。インターネット利用者におけるライブ配信の視聴経験は若年層ほど高くなっている。15 -19歳の65.6%がこの1年間に視聴している。過去の視聴経験者を加えると69.4%が視聴経験を有する。ライブ配信の配信経験も若年層ほど高い傾向があるものの30代、40代はほぼ同程度。15-19歳の29.3%がこの1年間に配信している。過去の配信経験者を加えると35.7%が配信経験を有する。

ゲームのライブ配信に利用されることが多いStreamlabsOBS利用者がいわゆる投げ銭によって得た収益は2017年に1億ドルに達している。2018年は第3四半期までに2017年を上回る額となっている。

出典:『ライブ配信サービス(投げ銭等)の動向整理』2018/12/14

 

YouTube市場を追い越す見込みの『ライブ配信』

2022年までに1,167億円の市場に拡大すると言われ、アジアの中でも中国の次に大きな市場となることが予測される日本のライブ配信市場。

ライブ動画を配信・視聴する機能を持ったアプリの利用者がこの1年で5割増え、ライブ動画 の月間利用者数推計では、上位10アプリを6月時点で昨年と比較したところ295万人から447万人に伸びています。また次世代通信規格「5G」の登場 によりさらに加速が見込まれます。

出典:「自宅で楽しむ新しいエンターテイメントの形「ライブ配信」2022年までにYoutuber市場を抜き1,167億円の見込み ~ライブ配信業界の、新型コロナウイルスの影響でどう変化を遂げるのか~』2020/04/24 ライブ配信コミュニティ

 

コロナの影響により、大きく拡大したオンライン市場

2020年3月の売上が増加した企業の割合  一方、2020年3月の売上が2019年3月と比べて増加した企業は全体の21%となり、 売上が3割以上増加した企業も5%存在。 特に、インターネット附随サービス(35%)、情報通信機械器具製造(35%)、情報サービス(32%)、無店舗小売(24%)など、情報通信関連業種において売上 が増加した企業の割合が高い。

調査会社の分析によれば、オンラインでの会議を行うためのアプリのダウンロード数が急増。

ライブ配信アプリ「17 ライブ」を運営する17 Media Japanでは、2月26日のイベント自粛要請以降、「格闘技などのスポーツからヨガスクールまで、種類を問わず問い合わせが以前とは比較にならないレベルで増えている」(小野裕史社長)という。

自宅で手軽にできるトレーニングのオンライン動画や関連グッズに人気が集まっている。自宅でバレーボールやサッカーの練習のほか、筋力トレーニングに励む人が増えている。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、スポーツジムの閉鎖や部活動の中止が続くなか、オンラインのスポーツ教室まで登場し、人気に拍車がかかっている。

矢野経済研究所(東京・中野)は、フィットネスジムやスポーツ用品を含む国内のスポーツウェルネス関連の20年の市場規模 は前年比4%増の1兆322億円と予測している。日常的に運動を楽しむ層の裾野の広がりが背景にある。コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、宅トレ需要という、従来とは少し違った健康関連消費の需要が膨らんでいるようだ。

雇用者へのアンケート調査によると、正社員のテレワーク実施率は、2020年3月9-15 日の13.2%から4月10-12日に27.9%に上昇。4月7日の緊急事態宣言の対象となった7都府県での実施率は38.8%まで上昇。

雇用者のアンケート調査によると、新型コロナウイルスが収束した後も、テレワークの継続を希望する者は53.2%。

テレワーク・遠隔教育などICT等の活用 – テレワーク、遠隔教育、遠隔健康医療相談などを促進するため、企業の設備投資に対して、予算・税制で支援。

出典:『基礎資料』2020/05/01 経済産業省 事務局

 

デジタルプラットフォームサービスの成長と動向

デジタルプラットフォームサービス(動画配信サービス、ラジオ、新聞・雑誌関連サービス、小説・漫画関連サービス、音楽配信サービス、ゲーム、スポーツストリーミングサービス等)について、過去5年間の一人あたりの「平均利用サービス数」の推移を見ると、2015年のNetflixのサービス開始、2016年のSpotifyのサービス開始などを転換点に、直近では平均8.0個と、生活者が利用するサービス数は大きく伸長していることがわかります。

このようなサブスクサービスやデジタルサービスの台頭により、音楽=CD、アニメ=DVD・Blu-rayといった限定的な支出カテゴリ以外への展開が伸びており、利便性や体験の質を求める生活者の増加により、デジタルチャネルへの対応も加速。デジタルプラットフォームの活用が、今後さらにリーチ力や支出喚起力に大きく影響していくことが予想されます。さらに新型コロナウイルスの影響で、様々なコンテンツジャンルにおいて生活者の安全性に配慮した動きが加速する中で、デジタル上でのライブ体験やライブコマース、投げ銭イベントは盛り上がりを見せ始めています。今後もこのような傾向は進んでいくと思われます。

2019年11月にストリーミング解禁を行なった嵐は、支出喚起力が昨年の1.5倍以上となりました。また、新しく上位にランクインしたコンテンツの半数が男性(アイドル)グループで、2020年1月にCDデビューを果たしたSnow Manも急上昇を見せています。Snow Manは、CDデビュー以前から、テレビ番組やラジオに限らず、公式YouTubeチャンネルでの動画配信も行なっており、新たにデジタルプラットフォームでコンテンツを提供したことが、新規ファンを獲得した要因と考えられます。

出典:『コンテンツビジネスラボ「リーチ力・支出喚起力ランキング」~「コンテンツファン消費行動調査2020」より~』2020/08/18 HAKUHODO

 

『ライブ配信』ユーザーたちによる、使い方の割合(投げ銭の割合も含む)

調査対象者に、この1年間のライブ配信サービスの視聴、配信状況を尋ねたところ、「視聴のみしている」が88.0%、「配信のみしている」が3.4%、「視聴も配信もしている」が8.6%だった。

「ライブ配信サービスの利用が2月よりも増えた」と答えた人に、その理由を尋ねたところ、「家にいる時間が増えた」(51.1%)が最も多く、「暇な時間が増えた(自分の時間が増えた)」(39.7%)、「好きな配信者の配信頻度が増えたため」(34.8%)が続いた。

ライブ配信サービスで視聴しているコンテンツは、「トーク、雑談」(46.0%)が最多で、「音楽」(43.1%)、「ゲーム実況」(40.4%)という回答も多い。

よく見ている配信者のジャンルは、「芸能人」(43.8%)、「YouTuberの男性」(37.3%)、「YouTuberの女性」(23.7%)の順となった。

ライブ配信サービスを視聴する際の配信者への有料アイテム提供(投げ銭)の経験について尋ねた質問では、「毎回している/毎回していた」が4.1%、「よくしている/よくしていた」が14.0%と、計18.1%が有料アイテム提供(投げ銭)を行った経験があることが明らかになっている。

有料アイテム提供(投げ銭)の経験者に、1回の配信で最も多く贈った際の金額を尋ねたところ、「501円~1000円以下」(22.0%)が多く、「101円~300円以下」(20.4%)、「2000円以下」(14.7%)がそれに続いた。

出典:『2月よりもライブ配信サービス利用は増えた? MMD研究所の調査』2020/04/17 BCNOR

 

増加する『巣ごもり消費』(投げ銭をするユーザーたち)

ライブなどのイベント中止は影響大、かわりにエンタメ系の巣ごもり消費が増加。

外出せずに楽しめる「ゲーム・書籍・コミック」や「動画・音楽の配信サービス」は、学生を中心に増えていました。「内食・中食」とともに「巣ごもり消費」の盛り上がりを示しています。

なかでも「配信サービス」では、YouTubeやニコニコ生放送への課金が注目されます。3月初旬に人気ユニットのYouTubeライブが開催された際には、投げ銭にあたる「YouTubeスーパーチャット」のバンドルカード決済金額が前週比の4倍近くに急増しました。

イベント自粛で低下したかにみえる消費意欲の一部は、オンライン上の娯楽に向かっているようです。

支出減少は「外食」「旅行やイベント」で顕著でした。次いでジムやプールなどの「運動」でも減っており、人の集まる場所を避ける傾向があらわれています。

心情的に委縮して外出を控えている様子もみられました。

出典:『巣ごもり消費に関する意識調査  新型コロナウイルスの影響で、7割近くが生活の変化を実感。外出控えムードのなか、消費意欲は「自宅でのエンタメ」に向かう』2020年3月26日 Kanmu

 

5Gで更に加速する、『ライブ配信市場』

2018年のライブ配信市場の売り上げ規模は132億円だが、20年度には7442億円の市場規模になると予測されている。

数あるライブ配信アプリの中でも高い人気を集めているのが「17 Live」だ。ライブ配信アプリとして瞬く間に1000万ダウンロードを記録し、日本でアプローチしてからわずか1年後となる2018年9月には、日本でのマーケットシェア1位を獲得した。

ライブ配信の内容は、歌や楽器の演奏からダンス、トーク、ゲーム配信、CGのキャラクターに声をあてる“バーチャルライバー”までさまざまだ。

5Gによる本格的なライブ配信が普及したとき、ライバーが現在のユーチューバーのように「憧れの職業」になる日もそう遠くないのかもしれない。

出典:『5Gが後押し、ライブ配信アプリの可能性』 2019/11/14 17 Media Japan

 

まとめ

誰もがスマホ一つでライブ配信ができるようになった世の中で、リスナー側が感じる、少数の支持者として視聴をするレア感や、支持をして視聴をするだけでライバーから暖かい言葉が送られてくることで得る安心感。家の中では孤独を感じていても、たくさんのライバーとは同じ時間を共有していることをより実感できる一体感などが、日々ユーザーの心をくすぐり続けています。

オンラインビジネスがさらに加速をし、エンタメ業界も細分化されることに比例して、『投げ銭』システムにおいても更に市場規模が拡大され続けています。『(送り手の名前)さん、投げ銭(呼び方は様々)ありがとうございます!』と配信者に喜んでもらえることで、『視聴をしているだけ』から『ファンとして支持をしている』という実感を、より可視化出来ることが、オンラインライブによる『投げ銭』の一番の魅力であると感じるようになりました。

今では素人の方による配信に限らず、多くの芸能人も『ライブ配信』を取り入れているように、今までは非メジャーであったオンライン業界が、テレビよりもメジャーになる時代がもうそこまで迫っています。今後も、ライブ配信は多くのユーザーを獲得し続けるでしょう。

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